絵の具

 

白いレンガの道をゆく

街灯の明かりが照らす細い道

1人静かに歩く


携えていたはずの地図は

どこかで落としてしまったようだ

持っているものは

未来への期待と未知への不安だけ

過去の自分を白と黒で塗りつぶし

わずかな絵の具で未来を描く


時折すれ違う人はみな

自分とは違う顔をしている

ここはどこだろう

 

手探りで見つけたものを手放せず

持っていたはずの絵の具をこぼしてしまった

あの日の僕はどこへ向かうのか

 


鏡に映る知らない自分と

街を歩く知らないあの子

大きく膨らむ知らない感情を

愛していきたい