影のなかの。

 

突然降り出した雨に
僕は全身をのまれた


近くの シャッターの閉まったお店の
わずかな軒下
壁に身を寄せて空を見上げる


遠くに見える白い空
黒い雲の先の薄い光に
僕は期待によく似た絶望を寄せた

 


そう


あの空が僕を照らす頃
きっともう 君はいない

 

 

 


雨の日がすきだ
なぜなら影ができないから


表情も声も欲望もないのに
確かにそこにいるもの
太陽が作り出す まやかしの僕


傘をさしながら
ちらりと地面をみる
水たまりに映る僕
僕であることを知る


すこしほっとして
俯いて歩く

 

君の中の僕は
僕なのか 影なのか

 

いっそのこと僕が消えてしまえば

君を好きな僕も 君を憎む僕も

消えてしまえるのかな

 

そんなこと

できやしないのにね

 


この雨がやんだなら
君に逢いにいくよ

 

 

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