お祭り
薄暗い夜の道 赤く灯る灯篭
水風船の模様が
僕のゆらゆら流れる心を映している
人混み渦巻く駅の改札
浴衣姿の君がきょろきょろと僕を探している
その姿をながめながら
柱の後ろに隠れてる
少し意地悪をしてみたり
ひらり 揺れる袖口から見える
まっしろな手がきれいで
丁寧に塗られた口紅
いつもより少し光る目元
きちっとまとまった黒髪を彩る髪飾りたち
聞いてるの。
そういって頬を膨らませる君が愛おしくて
思わず抱き寄せた
ふたりだけの世界
いつもは言えない そんな言葉も
お祭りの夜は優しくて
そっとぼくの背中を押してくれる
そんなぼくを君は花火のような
儚く美しい笑顔で包み込んでくれる
思わず涙がこぼれた
花火がもたらす暗闇よ
どうか、この一瞬を永遠に